教会の社会教説綱要

教会の社会教説綱要
http://s03.megalodon.jp/2009-0710-2259-18/www.cbcj.catholic.jp/publish/roma/kyosetsu/kyosetsu.html
c0011446_239963.jpg
教会の社会教説綱要
出版社 カトリック中央協議会
税込定価 3,150円
発行日 2009年7月1日
ISBN 978-4-87750-146-4
c0011446_2394474.jpg

シエナのポデスタ(市庁舎)の壁画
ロレンツェッティの「善政と悪政」の「善き政治の寓意」原書の表紙画

司教の日記
新潟司教の毎日の活動から
教皇様、09年世界平和の日メッセージを発表
2008年12月12日 (金)
http://s03.megalodon.jp/2009-0710-2311-03/bishopkikuchi.cocolog-nifty.com/diary/2008/12/post-9c1c.html



教皇庁 正義と平和評議会
  19世紀末に発布され、教会内外に多大な影響を与えた教皇レオ十三世の回勅『レールム・ノヴァルム』。この文書以降、激動の20世紀を経て、教会は社会に関する教えをさまざまな公文書を通して表現してきました。この教会の「社会教説」の豊かな蓄積を初めて公式に体系化したのが本書です。120年近きにわたる教導権の考察の実りが一冊にまとめられました。
 本書は、社会教説の完結した概説であるとともに、教会と社会の近代の歩みを踏まえて現代を総合的に分析し、諸問題がより複雑化・世界規模化する21世紀にあって、教会は社会に対してどのような姿勢をとり、どう行動し、いかなるメッセージを発していくべきなのかを明らかにしています。

目次概要

教皇大使の手紙
  ―『教会の社会教説綱要』日本語版発刊によせて
翻訳者前書き
用語について

アンジェロ・ソダーノ枢機卿書簡
前書き

序文 連帯的な全人的ヒューマニズム
第一章 人間に対する神の愛の計画
  一 イスラエルの歴史における解放のための神の働き
  二 父の愛の計画を完成するイエス・キリスト
  三 神の愛の計画と人間
  四 神の計画と教会の使命
第二章 社会教説と教会の使命
  一 福音宣教と社会教説
  二 社会教説の性質
  三 現代における社会教説――歴史記録
第三章 人間と人権
  一 社会教説と人間中心の原理
  二 「神の似姿」としての人間
  三 人という存在のさまざまな様相
  四 人権
第四章 教会の社会教説の諸原理
  一 意味と一貫性
  二 共通善の原理
  三 財貨が万人のためにあるという原理
  四 補完性の原理
  五 参画
  六 連帯の原理
  七 社会生活の基本的価値
  八 愛の道
第五章 家庭――社会の生きた細胞
  一 最初の自然な社会である家庭
  二 家庭の基盤である婚姻
  三 家庭の社会的主体性
  四 社会生活の主役である家庭
  五 家庭に奉仕する社会
第六章 人間の労働
  一 聖書の視点
  二 『レールム・ノヴァルム』の預言的価値
  三 労働の尊厳
  四 働く権利
  五 労働者の権利
  六 労働者の連帯
  七 労働の世界の「新しい課題」
第七章 経済生活
  一 聖書の視点
  二 道徳と経済
  三 個人による創意と企業による創意
  四 人間のための経済制度
  五 経済における「新しい課題」
第八章 政治共同体
  一 聖書の視点
  二 政治共同体の基盤と目的
  三 政治権力
  四 民主主義体制
  五 市民社会に奉仕する政治共同体
  六 国家と宗教共同体
第九章 国際共同体
  一 聖書の視点
  二 国際共同体の基本規約
  三 国際共同体の組織
  四 発展のための国際協力
第十章 環境保護
  一 聖書の視点
  二 人間と被造界
  三 人間と自然環境の間に生じている危機
  四 共通の責任
第十一章 平和の促進
  一 聖書の視点
  二 正義と愛の果実としての平和
  三 平和の破綻である戦争
  四 平和への教会の貢献
第十二章 社会教説と教会の活動
  一 社会における司牧活動
  二 社会教説と一般信徒の献身
結論 愛の文明に向かって

引照文献索引
語彙索引


司教の日記
新潟司教の毎日の活動から
教皇様、09年世界平和の日メッセージを発表
2008年12月12日 (金)
毎年1月1日は神の母聖マリアの祝日であるとともに、世界平和の日とも定められています。教皇様は毎年この日にあたり、平和メッセージを発表されますが、09年1月1日の世界平和メッセージが、昨日公表となりました。教皇庁正義と平和評議会の議長であるマルティーノ枢機卿が、昨日バチカンで記者会見を行いました。今年のメッセージは、昨今の世界経済の混乱や、それによって直接にまた間接に被害を受けている人たち、特に貧困に苦しむ人たちや、権利が保障されていない人たちに手を差し伸べることを求めた、時宜に適った内容となっています。日本語訳は中央協議会から近日中に発表されるでしょうが、英語タイトルは「FIGHTING POVERTY TO BUILD PEACE」(つまり「平和構築のための貧困との闘い」とでも訳すでしょうか)になっています。

そもそも教皇様は昨年07年9月に、パウロ六世の回勅「ポプロールム・プログレッシオ(諸民族の進歩推進について)」発表の40周年を記念して、回勅を発表される準備を進めておられました。昨年9月30日のお告げの祈りで教皇様は次のように語りました。

「40年前に教皇パウロ六世が書いた回勅『ポプロールム・プログレッシオ――諸民族の進歩推進について――』は今も忘れることのできない価値をもっています。パウロ六世は飢餓に対する戦いについて次のように述べます。「すべての人が・・・・十分に人間らしい生活を送れるような世界、・・・・貧しいラザロも富める者とともに食卓につくことができる世界を建設することが、目標とされなければなりません」(同47)。回勅はいいます。多くの悲惨な状況の原因は「人間によって」また「十分に制御できない自然によって負わされている隷属状態」(同)です」

この時点で教皇様は次の回勅を社会教説にすることをすでに決めておられ、正義と平和評議会に草案準備を命じておられました。昨年12月のアド・リミナで私たちが正義と平和評議会を訪れたとき、マルティーノ枢機卿は、次の回勅の草案がすでに出来上がっていることに触れておられました。そして大方の予測では今年、つまり08年の9月30日に発表されるといわれていました。タイトルも決まっていました。「Caritas in Veritate」(つまり「真理における愛」とでも訳しましょうか)であると、5月28日頃にベルトーネ国務長官が語ったと伝え聞きます。ところが9月に入ったあたりから世界の経済状況は加速度的に悪化し、どうしてもそのことを強調した内容に書き換えなくてはならなくなったと伝え聞きます。回勅の発表が遅れていたのです。

昨日の記者会見でマルティーノ枢機卿は、今回の世界平和の日メッセージが、その新しい回勅の内容を踏まえていると言明しました。報道によれば(Zenit News)、待たれていたこの社会教説の回勅は、来年早々にも発表となる模様です。

世界平和の日のメッセージは、グローバリゼーションのもたらすさまざまな問題について考察を加えています。教皇様は、貧困と闘うためにはグローバリゼーションという複雑な実体を注意深く理解することが必要だが、同時に単に経済学や社会学の手法を用いるだけでは足りず、そこには霊的倫理的視点が不可欠だと強調されています。そして物質的な貧困のみならず、精神的貧困や権利の否定など、さまざまな形での人間の尊厳をおとしめるような事例が世界中で起きていると指摘しています。

その上で、倫理的な課題として5つの問題を取り上げます。第一に人口増加への対応に関して(それだけを貧困の原因とすることは正しくない)、第二に HIV/AIDSをはじめとする感染症への対応について、第三に子どもたちを襲う貧困について、第四に軍縮と発展の関係について(現在の世界の軍事費はあまりに大きすぎる。軍拡競争をやめて、それを開発発展に向けることこそが、真の平和をもたらす)、そして最後に食糧危機について(政治と経済のシステムが本当の人間の必要に応えていない)詳しく語ります。

最後に教皇様はこれらの指摘を踏まえて、世界的な連帯の必要性を呼びかけます。そして世界にとって今必要なのは、妥協の産物ではなくて、創造主である神に基づいた「倫理的行動基準」を生み出すことだ指摘しています。目先の利益に捕らわれ、自分の保身ばかりを考えた経済行動に走るのではなく、人類の将来を見据えた経済行動をとるようにと、呼びかけています。(メッセージ原文はバチカンのサイトに掲載されています)

今回のメッセージでもそうですが、貧困との闘いのメッセージには、しばしば「marginalized」という用語が状態を表して使われます。冒頭でも「権利が保証されていない」などと訳していますが、よく使われているのにコンテキストによって訳がしばしば変わる用語です。中心ではなく周辺に追いやられているという意味ですが、本人の意志ではなく状況や構造によって、本来あるべき場所からはるか辺境に追いやられた状況とでもいいましょうか。「小さくされた」とか「見捨てられた」とか、そういう意味合いで使われている言葉です。日本語にしにくくて、通訳を頼まれたときに困る単語の一つであります。

それから、今回のメッセージで、教皇様はヨハネパウロ二世の回勅「新しい課題(Centesimus Annus)を引用されています。とても大切な箇所だと感じましたので、ここに原文から引用しておきます。

「貧しい人々(個人としても、国民としても)を、他人が生産したものを消費しようとする迷惑な盗人のように、厄介者扱いする考え方を捨てることです。貧しい人々は物的材を享受する権利、自らの労働能力を活用する権利を求め、それによって、すべての人にとってより公正で豊かな世界をつくり出そうとしているのです。貧しい人々の進歩は、全人類の道徳的、文化的成長、さらには経済的成長を達成する大いなる機会なのです(28)」

[PR]
by office-nekonote | 2009-07-10 23:13 | | Comments(0)


たまちゃんの その日暮しの手帳


by office-nekonote

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

カテゴリ

全体
災害救助
うちの催し物
お勧め催し物
アディクション
AC
子どもたち
暴力
児童虐待
教育
発達障碍
メンタルヘルス
ジェンダー
CAP

映画・美術
その日暮し
政治経済
ねこまんま
ヘブンリー・ブルー2010
ヘブンリー・ブルー
ヘブンリー・ブルー2011
ゴーヤ2011
サブカルチャー
ネコマンガ
ほぼ今日のお言葉
DVの根絶のための掲示板の記録
虐待世代間連鎖の掲示板の記録
ねこまんま倶楽部の記録
貧困
未分類

以前の記事

2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
more...

お気に入りブログ

ウラゲツ☆ブログ
NANO-GRAPH BURO
『心の家出』
のんびりのびのび
ばーさんがじーさんに作る食卓
Cream's Blog
世界が変わる わたしのお...
毎日チクチク
AAセクシュアルマイノリティ
あるのすさび
アル中ララバイ
出会いの瞬 M...
猫の手通信・ニュースデータ
パンドラの希望を
marimo cafe
アルでHyde
アスペルガーな日常
アルでHydeの研究室
alNOVELS  遥か...
海王の散歩道
猫の手通信・お料理メモ
今日のスイーツ、なに?
猫の手通信・猫のカーテン
月の満ち欠け
猫つぐら家のごはん日記
子猫の手通信
おひるねTIMES
リカバリー・ダイナミクス...
実時間 (what's ...
SAFER

最新のコメント

これはこれは長先生、先生..
by office-nekonote at 23:17
このたびはARASHIを..
by 長徹二 at 04:55
これは私の替わりに行った..
by office-nekonote at 14:44
上岡はるえのことを冷静に..
by あきこ at 02:42
お返事大変遅くなってごめ..
by office-nekonote at 23:02
( ̄ω ̄)ブヒヒッヒブヒ..
by black-board at 22:26
メッセージありがとうござ..
by office-nekonote at 14:34
たま猫さんのブログを読ん..
by 匿名 at 19:27
丁寧に説明してくださって..
by office-nekonote at 12:14
説明不足があったので、再..
by tojikomorianony at 07:54
アディクションとは体も精..
by tojikomorianony at 01:20
こちらこそよろしくお願い..
by office-nekonote at 23:26
今年もよろしくご指導お願..
by アポ at 13:54
アスペの上に人格障害が重..
by office-nekonote at 23:42
のえりん様、人格障害でも..
by office-nekonote at 22:06

検索

タグ

ブログパーツ

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

日々の出来事
メンタル

画像一覧