あなたは、自分のがんのことを、子どもに話せていますか?
2009年7月27日 19:30~19:58
NHK総合
クローズアップ現代「がんとともに(1)どうする子への告知」
自分が“がん”になった時、子どもにどう伝えればいいのか。心配をかけたくないと、多くの親が隠したまま闘病を続けている。“がん”を取り巻く新たな告知の問題を考える。
出演 【キャスター】国谷裕子,名古屋市立大学病院こころの医療センター副センター長…明智龍男
患者団体アメリカ訪問記2007(第5回)--- 米国から学ぶ「患者中心の医療」
あなたは、自分のがんのことを、子どもに話せていますか?
http://s02.megalodon.jp/2009-0727-2144-15/cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/post_595.html
がんについて 子どもにどう話せばよいかわからない親のために
http://s01.megalodon.jp/2009-0727-2147-08/www11.ocn.ne.jp/~shin0219/pal-mdacc-pamphlet.html
Hope Tree(ホープツリー)~パパやママががんになったら~
http://www.hope-tree.jp/
患者団体アメリカ訪問記2007(第5回)--- 米国から学ぶ「患者中心の医療」
あなたは、自分のがんのことを、子どもに話せていますか?
When You Don't Know What to Say...
M.D.アンダーソン・キャンサー・センター(米国)作成 小冊子
日本語訳
がんについて 子どもにどう話せばよいか
わからない親のために
NHK総合
クローズアップ現代「がんとともに(1)どうする子への告知」
自分が“がん”になった時、子どもにどう伝えればいいのか。心配をかけたくないと、多くの親が隠したまま闘病を続けている。“がん”を取り巻く新たな告知の問題を考える。
出演 【キャスター】国谷裕子,名古屋市立大学病院こころの医療センター副センター長…明智龍男
患者団体アメリカ訪問記2007(第5回)--- 米国から学ぶ「患者中心の医療」
あなたは、自分のがんのことを、子どもに話せていますか?
http://s02.megalodon.jp/2009-0727-2144-15/cancernavi.nikkeibp.co.jp/report/post_595.html
がんについて 子どもにどう話せばよいかわからない親のために
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Hope Tree(ホープツリー)~パパやママががんになったら~
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患者団体アメリカ訪問記2007(第5回)--- 米国から学ぶ「患者中心の医療」
あなたは、自分のがんのことを、子どもに話せていますか?
日本のがん患者団体6人がこのほど米国を視察した。狙いは、米国の先進事例から学ぶこと。そのツアーに密着取材した。今回のリポートは前回に引き続き、世界一のがんセンターと称されることが多いM.D.アンダーソンがんセンターから。「がんのことを子どもに隠さずに説明しましょう」と、親ががんになったとき子どもにどう説明するか教える興味深いプログラムがあった。子どもが4歳のときに乳がんになった経験があるマーサ・アッシェンブレナー氏が情熱を持って取り組んでいた。
がんになったとき、患者にとってはたくさんの心配ごとや悩みが生じるが、「がんになったことをどう伝えるか」も大きな関心事の一つだ。自分の両親、友人、職場の同僚などへの伝え方も悩ましいが、「子どもにどう話すか」は最も難しいかもしれない。がんになるとひときわ、子どものことが心配になる。がんによって子どもをできるだけ傷つけたくないという親心が強まるだろうが、それが必ずしも良い結果をもたらすとは限らない。米国では専門家の調査や研究に基づいて、子どもへの知らせ方の推奨パターンが形成されつつある。
M.D.アンダーソンがんセンター(以下、MDACC)では現在、KNIT(ニット)というプログラムを進めている。KNITとはKids Need Information Tooの頭文字をとったもの。直訳すると「子どもにも情報が必要だ」となるが、「子どもに親のがんのことをできるだけありのままに話そう」という趣旨のものだ。
MDACCでKNITの推進役をするマーサ・アッシェンブレナー氏(写真1)は、「親は子どもを守ろうとしてがんのことを話さない。しかし、これが裏目に出て、子どもは疎外感をもつ。上手に説明して子どもの不安を解き、がんのことが一緒に話せるようになった方がいい」と説明する。
MDACCでKNITの推進役をするマーサ・アッシェンブレナー氏
写真1:MDACCでKNITの推進役をするマーサ・アッシェンブレナー氏
KNITの要点は「3C」だ。第1のCは「Cancer(がん)」。がんという病名を隠さないこと。第2のCは「not Catchy(うつらない)」。がんが他の人に感染するものではないということ。そして第3のCは「not Caused(引き起こされたことでない)」。子どもや親のしたことが原因でがんになったのではないということだ。
がんであることを隠しても子どもは敏感に異変を感じ、「自分に何かが隠されている」という疎外感を覚える。がんと言わずに「ちょっと病気なのよ」と説明しておくと、抗がん剤で髪の毛が抜けた親を見て、子どもは「自分も何か病気になればああなるのか」と病気全般を恐れるようになる。うつらないことを教えるのは大切だ。子どもが親に安心して接することができるし、親が感染症と誤解されて子どもが友人たちから遠ざけられたりしないためにも重要だ。がんになったのは誰のせいでもないことを教えるのは欠かせない。そうでなければ、子どもは「自分が親のいうことを聞かなかったから、親ががんになった」というふうに、因果がないところに原因を見つけて罪悪感を抱いてしまうことがある。
●子どもの年齢によって異なる対処法
子どもは年齢によって精神的な発達度合いが異なるため、適切な知らせ方も異なる。アッシェンブレナー氏が、年代別の注意点を解説してくれた。
5、6歳の子どもにも親の病気が、がんであることを説明する。先に触れたように、そうでなければ、子どもは風邪をひいても親と同じように何回も病院に通わなければならないのかと勘違いする。また、大人はがんという言葉に重たいイメージを持っているが、この年代の子どもにとっては「がん」は初めて聞く病気の名前。病名を知ることでショックを受けたりすることはない。
アッシェンブレナー氏は、この年齢の子どもに「死ぬということの意味」を教えておくべきと考える。このころの年代は死という概念がよく理解できない。「生物は死んでもまたすぐ生き返る」と思っていることも多い。自分のがんのこととは切り離して、死とはどういうことか、説明をしておく。もし、自分のがんが治癒困難になった場合には、「前に死ぬってどういうことか話したことがあったでしょ」と、死一般と自分の死を結びつけて子どもに説明する。死を理解していないままに身近な人が死ぬと、子どもは大きな混乱を来すことがあるという。それを避けるためには、こうした子どもへの教育が必要だというのだ。治癒すべく治療に前向きに取り組んでいても、がんという病気になった以上、死ぬ可能性もあることを考えて、子どもに死について教えておくことが患者にとって大切なたしなみという考えが根底にある。
7~11歳の子どもは、がんという言葉は聞いたことがあり、命に脅威をもたらす病気であるとの認識もあることが多い。だから、がんだと説明するだけでなく、どんなタイプのがんであるか、特に治癒の見込みが高いときはそれを説明しておく必要がある。このぐらいの年齢の子どもが、「ねえ、死んじゃうの」と聞くことは珍しくない。アッシェンブレナー氏は、「死ぬわけないでしょう」「絶対、死んだりしない」と答えるのは好ましくないと考える。「死なないことを願っている。いい病院にかかれたし、お医者さんも一生懸命やってくださっている。だから、治ると思っている。だけど、もし見通しが変わったりしたら、必ず教えるからね」といった説明を薦める。やはり、子どもが後で「自分は本当のことを知らされていなかった」と感じることになる可能性がないようにすることを重視する。
12歳以上の子どもは、知的好奇心が強いからたくさんの質問をしてくることが多い。「できるだけオープンに正直に、子どもが納得するまで、聞かれたことに答えましょう」とアッシェンブレナー氏。病状が悪化してきたときには、それも正直に伝えることが大切だ。もっとも、思春期の子どもは親とあまり口をきかないことも少なくない。それも異常なことではない。ただ、子どもが親のがんのことを一人で抱え込んでしまわず、だれか話し相手がいるかどうかを確認しておくことは重要だ。
●子どもと一緒にがんに向き合う
子どもは大人とは違う。「大人が期待した行動を取らないからといってがっかりすることはない」とアッシェンブレナー氏は忠告する。再発の知らせを受け取ったときのような深刻な状況でも、子どもは深く悲しんだあと、すぐに遊びに行きたがったりする。これは子どもとしてごく普通のことで、親が、大人の価値観で「あの子は、悲しみに付き合ってくれない」「こんなときに遊びたいなんて、ひどい子だ」などと思う必要はない。子どもはそういうふうにできているのだ。
子どもが怒り狂うときもある。親ががんになったことへの気持ち、親が治療で家にいないことへの寂しさ、親が死んでしまうかも知れないという恐怖、自分がいけなかったのかという罪悪感――そうした感情が整理できずに怒りとして表現されることがある。それを親にぶつけたり、神をののしったりする。だが、これも親のがんを受容していく過程で子どもに起こる典型的な反応のひとつ。「うちの子どもは悪い子だ」「自分のがんのために子どもがおかしくなってしまった」などと思い詰めることはない。
マーサ・アッシェンブレナー氏を囲む患者団体ツアー一行
写真2:マーサ・アッシェンブレナー氏を囲む患者団体ツアー一行
アッシェンブレナー氏は、子どもとがんのことを話すコツをいくつか伝授してくれた。それまでお風呂に一緒に入る習慣があったなら、がんの手術をしたからといってそれを止めてしまわない。手術の跡を見せて「ここからお医者さんががんを取り出してくれたのよ。だから、がんはもうここにはないはず」といった風に話す。「触ってごらん。もう痛くないのよ」と、触れさせるのもいいという。
抗がん剤で髪の毛が抜けたときは、話題にするのを避けたり、隠そうとしたりするより、「髪の毛が抜けている間、帽子がほしいから、どんなのがいいか一緒に選んでくれるかな」と子どもと一緒に買い物に行く。子どもが平気で親の頭に触れるように仕向ける。
「子どもにがんを隠さない。むしろ、きっちりとがんのことを話す」。米国ではこのような考えがかなり前から提唱されているが、実際のところはまだ十分には浸透していない。アッシェンブレナー氏は自分が乳がんになり当時4歳の子どもと向き合った経験もあって、従来の、がんの子どもの精神面のケアから、がんの親を持つ子どものサポートやがん患者と子どものコミュニケーションの支援へと自分の仕事の重心を移した。
MDACCは、患者の治療やケアで精一杯になりがちながん治療のなかで、がんの親を持つ子どもをケアし、子どもの情報を知りたい気持ちに応えることも重視しようとしている。ただ、数多くの患者がいるMDACCでKNITを担当するのは、まだアッシェンブレナー氏一人。だから、現在はすべての患者を対象にKNITのカウンセリングをすることはできない。ソーシャルワーカーや看護師から、子どもへのがんの伝え方で悩んでいる患者がいるという情報が入れば対処する形になっている。
アッシェンブレナー氏が取り組むKNITプログラムは、患者団体メンバーの強い関心をひいた。なかでも、乳がん経験者で病院のソーシャルワーカーとして働く大沢かおり氏(VOL-Netに所属、写真2の右から3人目)は、「KNITを日本でも広めたい」と強く考えた。その後もアッシェンブレナー氏とメールで文通し、がんの親を持つ子どもを支援するための冊子やツールを集めるなど、勉強を進めている。アッシェンブレナー氏にもらったKNITのチラシを大沢氏が試訳したものを下記に掲載する。
・・・・・・・・・・・・・・・
KNIT Kids Need Information Too(子どもだって知りたい)
「私はがんです――そして、私には子どもがいます」
がんと診断されることは、あなたにとってとても怖いことで、あなたの子どもにとってはさらに怖いことかもしれません。この事実からあなたの子どもを守る方がいいように思えても、実際には、子どもたちは何かが起きていることを察知し、あなたが教えないでいることに、よりおびえているかもしれません。では、どのように子どもに伝えたらいいでしょう?
○3つの"C"を念頭に置く:
それは、Cancer(がん)という病気。
それは、Catchy(伝染するもの)ではありません。
それは、あなたや私がやったことや、やらなかったことによってCaused(引き起こされた)ものではありません。
○あなたが、がんの治療を受けるのに最高なところに居ることを説明します。
○「死んじゃうの?」と聞かれても驚かないこと。これは普通のことです。「死なない」と約束しないこと。むしろ、「そうならないことを望むわ。長く生きられるように、お医者さんが、がんを治してくれることを望むわ」と言って安心させましょう。
○可能ならば、最低1回はあなたと一緒に病院に連れて行くようにしましょう。そうすることで、子どもは、あなたがここ(病院)に居る時、どういったところに居るのか、「視覚的に」理解できます。
○あなたの子どもがあなたのがんについて聞いたり読んだりしたこと全てを、あなたに気にせず話すように言いましょう。あなたがあなたの病気についての「子どものための情報源」になりましょう。
○あなたの子どもと、がんについて話すことを恐れないでください。がんは全ての家族に影響を与えます。あなたの子どもによりオープンでいて、子どもたちへ影響が及ぶかもしれない変化を教えてあげることで、子どもたちは、よりリラックスできます。
○あなたの治療計画によって、彼らの日常生活がどのような影響を受けるかを、子どもに知らせましょう。ですが、可能な限り、正常な常態を保つようにしましょう。
○あなたの治療がどう進んでいるか、起こりうるあらゆる変化―いいことも悪いことも―を常にあなたの子どもに伝えることを保証しましょう。そしてそれを貫き通しましょう。
○質問や気になることがあれば、相談支援センターにお問い合わせください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・(埴岡 健一)
When You Don't Know What to Say...
M.D.アンダーソン・キャンサー・センター(米国)作成 小冊子
日本語訳
がんについて 子どもにどう話せばよいか
わからない親のために
この冊子は、がんと診断された親が、自分のがんについて子どもと話しあうために、
そして、子どものがんへの恐怖心を和らげるために、作成されたものです。
“ 子どもにだって、がんのように家族に影響を与えることについては、「知る権利」があります。何も知らせないことは、子どもに対する約束違反なのです。子どもは、普段とは“何かが違う”と気づいています。親は何も知らせないことで、子どもを守ろうと思うかも知れません。しかし、そのことが、子どもに必要以上の恐怖心を抱かせてしまうかも知れないのです。”
~全米がん協会(American Cancer Society)~
がんについて子どもに話すということ
今の時代、家族にはさまざまなカタチがあるでしょう。しかし、すべての家族は愛という絆で結ばれています。
互いに支えあう、人生に起こるさまざまな出来事を分かち合う、それが家族です。そんな家族の誰かが、がんと診断されたら、家族の誰もがショックを受けるでしょう。
この冊子では、がんになった親を持つ子どもに起こりうる問題や、子どもの恐怖心に焦点をあてています。
あなたの病状に対する、子どもの疑問や心配に正直に答えること、それがどんな時でも最善の策です。でももし、病気についてあなた自身の口から子どもに話せない時は、信頼できる他の家族や友人、または、主治医や看護師などの医療従事者に助けを求めてもよいでしょう。また、子どもへの伝え方には直接話すこと以外にも、子どものために手紙を書く、日記をつける、子どもと一緒に聴いたり観たりするテープやビデオを用意する-そのような伝え方もあります。
がんについて子どもにどう話すか
子どもにがんについて話すのは大変なことですが、落ち着いて、思いやりぶかく話すことも不可能ではないのです。
まずは、あなたの病気について子どもに話すために望ましいタイミングと静かな場所を選びましょう。次に、あなたが病気であること、どんな種類のがんなのか、そして、この先に起こりうること、それらを正直に、何でも話しましょう。
治療や副作用について話し合うことで、これからあなたに起こることを子どもは理解できるでしょう。
子どもが質問しそうなことについては、事前に答えを準備しておきましょう。
あなたの病状について子どもと話す機会を持ち続けること、あなたの治療中にどういうことが起こりそうか、子どもに繰り返し教えてやること、それらはとても大切なことです。また、あなたが子どもに話すことや子どもの質問に答えることは、がんという未知のものへの恐怖心を和らげ、子どものさらなる質問に答える機会をあなたに与えてくれます。
がんについてあなたの子どもにどう話すか
どの子どもにも個性があるように、親の病気について聞かされても、それぞれの子どもなりに異なった受け止め方をするでしょう。
あなたの子どものことは、あなたが誰よりも分かっているでしょうし、子どもがどんな受け止め方をするかも、あなたなら分かるでしょう。
次の年齢別の一覧は子どもとの話し合いの参考にしてください。あなたが子どもに「愛している」といつも伝えること、それが子どもの一番の支えになります。そして、年齢に関係なく、すべての子どもは親が自分のことを考えてくれているか、親が自分のことを誇りに思ってくれているかを知りたがるものです。
あなたの子どもが2~6歳の場合
幼い子どもは想像力が豊かで、人生に起こる出来事を、“マジカル・シンキング”を使って理解します。
“マジカル・シンキング”とは、自分がそう望んじゃったから、自分がお利口さんじゃなかったから、自分が“悪いこと”を考えちゃったから、だから“悪い出来事”が起こってしまったんだと、子どもたちが信じ込むことをいいます。
「君のせいでがんになったんじゃないんだよ」と言って、子どもを安心させてあげましょう。
幼い子どもは、親から引き離されることを不安に思います。子どもには、いつも通りの日常がとても大切です。何かしらの日常生活の変化は、さらに子どもを不安にさせてしまいます。
あなたが病気について話すときは、子どもの理解力に配慮しましょう。まだ幼い子どもとあなたの病気について話し合うには、人形を使ったり、本を読んだり、絵を描いたり、創意工夫に富んだ方法を活用しながら、短めの話を何回かに分けて話すとよいでしょう。
あなたの子どもが7~12歳の場合
小学校に通う年頃の子どもたちは、空想しがちな一方で、実際に起こっていることを知りたがります。
この年齢の子どもたちは、“マジカル・シンキング”もするし、難しい問題に対する理解力も進んできているし、未知の事柄に対する恐怖心もあるので、盛んに質問をしてくることを覚悟しておきましょう。
がんとは実際にどういうものであるかを子どもに話しましょう。また、あなたの治療中に誰が子どもの面倒をみてくれるかも、きちんと伝えましょう。もしかしたら、ひどい言葉を使ったり、感情を爆発させたりすることで、自分の恐怖心を表わす子どももいるかもしれません。また、行儀悪くふるまったり、一人になりたがったりすること、それらもまた、子どもの恐怖心の表われですので注意しましょう。そして、できるかぎり、普段と変わらない生活を維持するように心がけ、しつけも遠慮してはいけません。
家族の中にいろんな決まりごとがあってもよいでしょう。“家族の決まりごと”を守ることも含め、いつもと変わらないという子どもへのメッセージが、家族みんなにとっても必要であり、ほっとできるいつも通りの日常をもたらしてくれるのです。
あなたの子どもが13~18歳の場合
思春期は10代の子どもが成長し自立を求める時期です。
この年頃の子どもたちは、誰かに助けを求めることをためらいがちで、親の病気に対しても、自分の感情をぶつける、うろたえて自分の殻に閉じこもる、異常なほど怒る、いつになく納得する、など、さまざまな反応を見せます。家族の経済状況のような大人たちの現実的な心配事には、10代の子どもはあまり関心を持たないようですが、彼らのするであろうたくさんの質問に備えておき、正直に答えるようにしましょう。
子どもの友人関係を尊重しましょう。
また、家族以外の人々、学校の先生や教会の牧師(訳注:日本ではあまり当てはまらないかも知れません)、あなたをサポートしてくれるグループのメンバーなどとも、話す機会を設けましょう。
あなたが10代の子どもの感情を理解するために、信頼する家族や友人たちを頼りにしてもよいでしょう。
思春期という自我の成長の過程で、“私のことはどうなの?”と、子どもが自分自身のことを考えてしまうことに、罪悪感を持つ必要はないことを伝えてあげましょう。そして、子どもが自分の心配事について、親に質問したり、隠しだてせずに話したりするように導いてあげましょう。
あなたの子どもが19歳以上の場合
子どもが成人しても、あなたの病気について話す必要があります。
成人した子どもは、あなたの病状を尋ねる必要性を感じるのと同時に、治療中のあなたの助けになる必要性を感じるかもしれません。
大人になった子どもにも、いつもあなたの病状について話しましょう。話すことで、子どもがあなたの治療の手助けをすることができるようになります。
子どもが大きくなり、精神的に成長していても、子どもが持つさまざまな感情については、あなたと話しあう必要があります。
子どもとあなたが、互いの感情を自由に分かち合える場を設けましょう。
子どもの難しい質問に答えること
子どもにあなたのがんについて話す際に、どんな恐ろしい質問でも、飛ばさずに、きちんと答えることが大切です。親が死んでしまうかもしれないという子どもの不安にも正直に答えましょう。
もし、あなた自身の口から、子どもに話せない時は、信頼できる他の家族や友人、または、主治医や看護師などの医療従事者に助けを求めてもよいでしょう。子どもによって、死ぬということへの理解はそれぞれ異なります。
まだ幼い子どもに話す場合は、“眠りにつく”、“遠く(あの世・お空)にいく”など、子どもが混乱するような表現を使うことは避けましょう。これらの表現は、幼い子どもを混乱させ、子どもが眠りにつくことを怖がらせてしまうかもしれません。
子どもが成長するにつれ、死というものの永遠性について、大人に近い解釈ができるようになるでしょう。しかし、愛する者を失うこと、それが受け入れがたいことに変わりはありません。
もし可能であれば、子どもとあなたが、互いのありのままの気持ちを話し合う、どんな質問にも答える、そんな、隠しごとのない、正直な話し合いの場を持つことが理想です。あなたの主治医や看護師などの医療チームが、このような難しい問題の解決策を教えてくれるでしょう。
翻訳:YUKARI
おことわり
・言葉や意味を正確に翻訳することを心がけましたが、内容については保証するものではありません。
米国と日本では医療体制も社会的環境も異なりますので、あくまでも参考資料としてお読みください。
・冊子の発行元(M.D.アンダーソン・キャンサー・センター)には、日本語への翻訳に関して了解を得ていますが、発行元が日本語に翻訳された情報の保証をするものではありません。
・HP管理者、翻訳者、監修者はこの翻訳内容と、それによって引き起こされたことに対して、
いかなる責任も負いません。
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| 子どもたち
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