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病んだ家族からの旅立ち

病んだ家族からの旅立ち―アダルトチルドレンの克服と回復を目指して
ジョン・ブラッドショウ

第1章 概観:危機について
第2章 規則に縛られた社会システムとしての家族
第3章 機能的家族システムの特徴
第4章 慢性的に機能不全な家族システムの概観
第5章 強迫的家族:嗜癖的家族で自尊心がどのように損傷したかの検査表
第6章 虐待された人びと:性的または肉体的に虐待する家族の中で自尊心がいかに損傷したかについての検査表
第7章 「悪い」子ども:情動的に虐待する家族の中で自尊心が損傷される仕方についての検査表
第8章 もっとも一般的な家族の慢性的機能不全の影響:すなわち共依存
第9章 能力のない意志を再生させる道程図:第一行程―養子縁組という新たな家族の発見
第10章 失われた自己を明らかにする道程図:第二行程―原家族の呪詛を破壊する
第11章 真実の自己を明らかにする道程図:第三行程―精神的な自覚と思いやりのある社会行動
終章 伝統的価値観の改正

と言う本を読んでいます。数年前に出ていたようです。
そういえばニュースデータの更新もほったらかしでいかんです。
ずーんと体に来るものがあります。
かなりげんなりする記述が続き、私が良くこういう状態から抜け出せたと喜ぶより、苦しんでいる仲間たちをどうしたらメッセージを送ることができるのか、考え込んでいしまうことしきりです。

信田さんのブログに
http://www.hcc-web.co.jp/blog/
ここのところ、わたしは日本の臨床現場に輸入されたアメリカンポップサイコロジー(APP)の弊害に苦しんでいる。こう書いたのはあながちオーバーじゃない。
「わたしは親密な関係が怖くて結べません」「自己肯定感がもてません」「自分を好きになれないんです」「そのままのわたしでいいって言ってほしいの」などなど・・・・・
こんなことを大真面目に訴えるひとたちは、書店の棚で何冊かのAPPを焼きなおした本を手にとっている。
わたしは、そんなひとに会うとひそかに、村上春樹じゃないけど「やれやれ」とつぶやきながら、風呂敷をていねいにほどくようにしてその訴えを解体しなければならない。


これは信田さんより零細企業のわたしのところでも、普通にあります。
以前も書きましたが、「境界線を犯されたの。」と言う電話。
CAPでも「虐待されているよね、あのこ。」「自己肯定感を育てられない家族なんだね。」となんでもひっくくってしまう言葉を良く使う人たち。

言葉は大事でACや虐待や境界線や親密な関係やDVや・・・無かった時代はどう説明したら良かったのかと言うか、説明しても言葉が無いので伝えようがなく、認識もされないのでした。
前にも書きましたが、入院中に何かのことで昔のことを思い出して具合悪くなっても、看護婦さんは主治医に「たまちゃんががまた具合悪くなりました。!頓服飲ませていいですか。」で、主治医は主治医で「困らせないでくれよなあ。」なのでした。フラッシュバックと言う言葉は、あまり使われておらず、退院してしばらくたって覚醒剤(シンナーだったか・・・)を病めて数年たっても何かのきっかけで覚醒剤をやっていたような状態に戻ることがあると言うことでフラッシュバックという言葉を知ったのでした。
今は逆に言葉が先にありきでことで、それに自分を当てはめていく傾向があります。
ある人は本と自分が違うので回復できないと言ってくる人もいます。
自助グループや診察室などのケースから、AC本は書かれるので、本があってグループや診察室が動いていくと言うわけではないのですが。

子どもの頃、コカコーラは分かりましたが、ハンバーガーやピザがどんな食べものなのか、本を読んでいて分かりませんでした。
花岡訳の赤毛のアンシリーズでよく出てきた「刺し子の布団の上掛け」は今ならキルティングのベッドカバーのことだと思えますが、当時はピンとはきませんでした。
イギリス物に良く出てくる、ラムステーキやヨークシャープディングなど意味不明でした。
高校生ぐらいになってプーさんや大草原の小さな家シリーズに出てくるお料理やお菓子の作り方の本を買って物によっては作ってみて、こういう食べものだったんだと得心が行ったのでした。
料理の本とACの本と同じではありませんが、本を買うだけすごい。でも作らないと料理は分からないと体験してみないと分からないと言うのは同じだと思います。

特に本を読んで何とかしようというタイプはACに多いので・・・地元のACグループは皆さん避けます。
「知っている人にみつかったらまずい。」と気を使っているのです。
親が具合が悪いことは回りは知っているはずなのですが、病気になって苦しんでいる自分が親戚中で恥ずかしい存在だと思いこんでいるからです。

苦しんでいることを自分なりの言葉で語っていき、そのうちあるものが「境界線の進入」だったり、あるものが「愛着の問題」だったりするのです。
もしかするとひとつの事柄がいくつかの問題から起こることがあります。
話すときによって視点が変わって気がつき方も変わって、あるときには「境界線の進入」になったり「愛着の問題」になったりすることは普通に起こることです。
本の言葉は便利で知っているのと知らないでいるのとでは知っているほうがいいのかもしれませんが、ただ覚えただけでは回復したことにはなりません。むしろ有害です。
言葉を知っていると、その問題は克服されたような気分になったりするひとたちがいます。
ものすごく不幸なことだと思います。
回復は楽なことではありません。
なんというのかな、ある問題を解決するために払った努力と時間と経済的な問題を考えると、等価ではない感じがするようなことがしばしばあります。
目に見えて楽にならず、かえって昔のほうが何も考えずにすんで良かったかもしれないと悩むことだってあります。
でも、やり続けるほうがいいのです。
始めるのに遅すぎると言うこともありません。
回復しようと思えばそのときから始めればいいのです。

昨晩は猟奇的な雰囲気を一掃したくて、『秘密の花園』というDVDを借りてきてみました。
原作はバーネットの児童文学です。F・コッポラのプロデュースで丁寧に作られています。それこそネグレクトされていた子どもたちが園芸療法で回復していく映画です。
と書くと、ホントにつまらなそうでしょ。
『DV』と言う映画も怖かったけれど、しばらく韓流はいいです。どうも好みのつぼが私には合わないみたい。
by office-nekonote | 2006-04-09 14:57 | AC


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