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本当の親子の2

読売新聞の連載の記事の続き



2008年3月19日摂食障害 反響(上)40代「治るかもと思えた」http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20080319-OYT8T00237.htm?from=goo
 先月11日からの連載「シリーズこころ 摂食障害」には、70通以上の反響が寄せられた。10~20歳代の病気というイメージが強いが、中高年の患者からのお便りも少なくなかった。

 極端に食事の量を減らす拒食症になったり、過食・嘔吐(おうと)を繰り返したりする摂食障害。連載では、60歳代の夫妻の40年近い闘病のエピソードも取り上げた。関東地方の40歳代の女性からは「この年齢で摂食障害に悩んでいるのは私だけと思っていましたが、私より高齢で、長年患っている人がいることを知りました」とのメールが届いた。

 この女性は結婚し、2児を出産、仕事もしている。だが、就職前から始まった過食、嘔吐が今も続く。休日は自宅にいると過食、嘔吐してしまうので、なるべく出かけるようにして、体重47キロを保っている。

 家族にも伝えず、治ることはあきらめかけていたが、60歳前で克服した夫妻の記事に「いつか治るかもしれないと思えるようになりました」とつづる。

 別の40歳代の女性は、30歳代に発症した。10歳代のころはダイエットに全く関心はなかったが、初めて妊娠した時から、体重増加を気にするようになった。

 1か月に1キロ以上増えると医師に注意され、出産までの体重増加を6キロに抑えた。産後3か月で元の体重に戻すと、減量することがうれしくなった。

 3人目を出産してからダイエットが激しくなり、現在の体重は34キロ。500グラムでも増えたら「大変」と食事制限し、夜中にたまらず隠れ食いすることもある。「家族に食事を作るのもつらい」と打ち明ける。

 この病気に詳しい京都市の烏丸御池(からすまおいけ)中井クリニックの中井義勝さん(心療内科)によると、摂食障害の発症は、低年齢化と高年齢化の両方の傾向が見られるという。

 小学生で始まる人もいれば、妊娠、出産を機に30歳前後で始まるケースも増えている。思春期に一度発症した人が、出産後に再発することもあるが、「早めに治療を受けた方が治りやすく、再発も少ない」と中井さんは言う。

 ただ、摂食障害の治療に熱心な医師を探すのは容易ではない。「カウンセリングなどに時間がかかることもあり、取り組む医師が少ない」と中井さんは話す。

 治療を受けず、家族にも隠して、過食・嘔吐を続けている人もいる。

 中井さんは「摂食障害を打ち明けられた夫や子供が受け止められるか、という問題もあるが、一人で悩まず、肉親などに話せれば、改善の糸口になる可能性がある」と話している。

 「摂食障害」の連載に寄せられた反響

 「20歳女子大生。小学校5年生から過食、嘔吐に悩まされています。食事が満足にできない人がたくさんいる世の中で、甘えでしかないとも思いますが、この障害を克服した方のことを聞くと、励みになります」

 「私は中学の時に即入院になりましたが、当時は理由がよくわかりませんでした。記事を読み、もし、あのままダイエットを続けていたら死んでしまったかもしれない、と思いました」

 「27歳の時から拒食、次に過食・嘔吐が始まり、今年で9年目。きっかけは夫の浮気でした。精神科に行きましたが、子供のころの母子関係ばかり聞かれ、通わなくなりました」

 「(発病して)5年になります。医学部生ですが、私自身、どうしたらいいかわかりません。記事を読んで、誰かに話を聞いてもらうことの大切さを感じました」

 「昨年一人で小さなパン屋を始めました。食べる事に悩みつつ、なぜかパン作りに没頭してきました。店を出し、少しずつ世の中に認められてきたせいか、食べる事への恐怖や罪悪感が薄くなりつつあるような……。27歳」

 「栄養士になりました。摂食障害を持っていても、進学、就職はできると希望を持ってほしい。家族の理解で立ち直れることを知ってほしいです」
(2008年3月19日 読売新聞)

2008年3月20日 摂食障害 反響(下)「家族の時間」増やし好転
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20080320-OYT8T00255.htm?from=goo

摂食障害を患っていた二女に生まれた孫を抱く女性(兵庫県内で)

 「摂食障害」の連載では、患者の家族からの反響も多かった。摂食障害に特効薬はないが、家族の対応によって、症状が好転することもある。兵庫県の読者の例を紹介する。

 3年前、家の中は荒れ放題だった。ふすまがズタズタに破れ、タンスは倒れて衣類が散乱。本やコップなどが室内に散らばっていた。家にこもり、過食する二女(22)が連日暴れていたのだ。

 「あの子を殺して死のうか」。それが、夫婦の日常会話になっていた。

 二女に異変が起こったのは高校1年の夏。「恥ずかしいから、お弁当を小さくして」と母(50)に頼んだ。精神科の看護師である母は、健康を気遣いながらも「思春期だから」と軽く受け止めたが、以来、二女の希望で弁当はどんどん小さくなった。ついには最も小さなデザート容器に、一口のご飯と野菜を詰めるだけになった。

 半年後、二女の体重は30キロに落ち、拒食症と診断された。体温も血圧も低過ぎて測定できない。医師は入院治療を勧めたが、二女は拒んだ。

 母も入院治療には懐疑的だった。勤務先の病院で、食事を強制された揚げ句、退院後に再び拒食を繰り返す患者を見てきたためだ。通院治療も続かなかった。

 食事はこんにゃくだけになり、高校を退学した。今度は過食が始まった。家族が寝静まってから、卵1パック、砂糖1キロ、小麦粉1キロなどを毎晩使ってパンを作り、一人で食べた。

 母は摂食障害の患者会に参加し、関連本を何冊も読んだが、「子育ての間違い」と指摘されるだけで、ますます悩みを深めた。

 過食になってから、二女は2年間、家に引きこもった。小言を言う度に暴れるため、放置するようになった。母は「あの子を憎いと思った。存在を周りに知られたくなかった」と振り返る。そんな感情を察したのか、二女はさらに荒れた。

 長女は、子供のころから手がかからず、看護師になった。二女も同じように育つと考え、期待した。「美容師になりたい」との希望を「向いてないのでは」と否定したこともある。「長女との比較や間違った期待で、傷つけてしまったのかもしれない」と今思う。

 親から一方的に話すのではなく、娘から話すような形で接する時間を増やせないか。そう考え、パソコンに詳しい二女に、操作法を教えてもらうことにした。

 久しぶりに外出させようと、親類の葬式に思い切って誘うと、二女は応じた。2年間切っていない髪はぼさぼさで、体形も変わっていた。親類は驚いたが、母はもう動じなかった。

 その日を境に、二女は昔の友達と遊びに行くようになった。友達も二女を受け入れた。過食の頻度が減り、現在は結婚して生後半年の長男がいる。

 母と二女は、毎日連れだって買い物にいく。子育てや家事の話題などで会話が途切れることはない。

 母は笑顔で言った。「今初めて、本当の親子になれた気がします」
(高橋圭史、佐藤光展)
(2008年3月20日 読売新聞)

by office-nekonote | 2008-04-13 21:42 | アディクション


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